路線価とは — 道路ごとに付いた1㎡あたりの価格
路線価は、市街地の道路ごとに付けられた「その道路に面した標準的な土地の1㎡あたりの価格」です。国税庁が毎年7月1日ごろに、その年の1月1日時点の価格として公表します。本来は相続税・贈与税で土地を評価するための数字ですが、土地の価格の目安をつかむ手がかりとして実務でもよく使われます。
似た名前に「固定資産税路線価」があります。こちらは市区町村が固定資産税のために決めるもので、水準は地価公示価格の7割程度です。この記事で扱うのは、国税庁の路線価(相続税路線価)です。
路線価の調べ方 — 5つの手順
手順1:国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のページを開きます。検索で「路線価図」と調べると最初の方に出てきます。
手順2:調べたい年分を選び、日本地図から都道府県を選びます。過去の年分も同じページから見られるので、年ごとの動きを比べることもできます。
手順3:「路線価図」を選び、市区町村、町名(大字)の順に進みます。町名ごとに路線価図の番号が分かれているので、対象地を含む番号の図を開きます。
手順4:路線価図の上で対象地を探し、その土地が面している道路に書かれた数字とアルファベットを読みます。住居表示(住所)ではなく地図の形と道路で場所を合わせるのがコツです。分かりにくいときは、登記簿謄本の所在・地番と公図をあわせて確認します。
手順5:読んだ数字を1㎡あたりの価格に直し、土地の面積を掛けます。たとえば「150D」で面積100㎡なら、15万円×100㎡=1,500万円が、補正前の評価の目安です。
路線価図の見方 — 数字・アルファベット・記号
道路に書かれた数字は、1㎡あたりの価格を千円単位で表しています。「200」なら1㎡あたり20万円、「85」なら8万5千円です。
数字のすぐ後ろのアルファベットは借地権割合で、Aが90%、Bが80%、Cが70%、Dが60%、Eが50%、Fが40%、Gが30%です。借地権の評価に使う数字なので、所有している土地の価格の目安を出すだけなら、まずは数字の方を見れば足ります。
数字を囲む丸や六角形などの記号は「地区区分」(ビル街・繁華街・普通住宅地区など)を表します。地区区分によって、次に説明する補正率の表が変わります。記号の意味は路線価図の欄外に凡例として載っています。
路線価×面積だけでは決まらない — 補正と注意点
正式な評価では、路線価に土地の形や奥行きに応じた補正率を掛けます。奥行きが極端に長い・短い土地、間口が狭い土地、形がいびつな土地は評価が下がり、2本の道路に面した角地は評価が上がります。手順5の計算はあくまで標準的な形の土地を前提にした目安です。
もう一つの注意点は、路線価が売買の相場そのものではないことです。相続税の路線価は地価公示価格の8割程度を目安に決められているため、路線価÷0.8でおおよその公示価格の水準が分かります。さらに実際の取引価格は、駅からの距離、前の道の幅、周りの環境、売り急ぎかどうかなどで大きく上下します。
郊外などで路線価が付いていない地域は「倍率地域」です。この場合は、同じページにある評価倍率表で倍率を調べ、固定資産税評価額にその倍率を掛けて評価します。
路線価と取引価格をあわせて見る
売却の相談や仕入れの検討で土地の価格の目安を出すなら、路線価だけでなく、国土交通省が公開している実際の取引価格や地価公示もあわせて見るのが確実です。路線価で下限に近い目安を押さえ、近くの取引事例で実際の幅を確かめる、という順番です。
Rovixaでは、国の取引価格・地価公示・路線価・周りの施設をもとに、土地・戸建・マンションの価格を幅で出すかんたん査定を公開しています(いまは愛知・静岡・岐阜・三重の4県)。どれくらい外れるかも先に示しているので、路線価で出した目安と見比べる使い方ができます。
よくある質問
- 路線価はいつ公表されますか?
- 毎年7月1日ごろに国税庁が公表します。その年の1月1日時点の評価で、相続税・贈与税の土地の評価に使われます。
- 路線価図の「200D」はどう読みますか?
- 数字は1㎡あたりの価格を千円単位で表したもので、200なら1㎡あたり20万円です。後ろのアルファベットは借地権割合で、Dは60%を表します(A=90%からG=30%まで10%刻み)。
- 路線価と実際の売買価格は同じですか?
- 同じではありません。相続税の路線価は地価公示価格の8割程度を目安に決められており、実際の売買価格は個別の事情でさらに上下します。路線価は「価格の下限に近い目安」として扱うのが実務的です。
- 路線価が付いていない土地はどう評価しますか?
- 路線価が定められていない地域は「倍率地域」と呼ばれ、固定資産税評価額に、評価倍率表に載っている倍率を掛けて評価します。